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選手や指導者として 終わっても続く 人生のマラソン

2005/3/24(木)
旭化成の宗茂総監督が退任するというニュースを聞いた。
現役の時は瀬古、宗兄弟、伊藤という名選手と一緒に日本の男子マラソンの黄金期の一翼を担っていた。ただ、宗茂氏だけでなく、弟の猛氏も含めて、福岡国際マラソンでの優勝がなかったのは、本人達はもちろんのこと、福岡在住の私にとっても残念なことであった。全盛期であった瀬古選手と競い合うが、勝負どころでは及ばないレースが多かった。
選手や指導者として 終わっても続く 人生のマラソン_c0070439_7132669.jpgしかし、現役を退き指導者としては、当時世界最高タイムを出した児玉泰介選手、五輪銀メダルの森下広一選手や世界選手権金メダルの谷口浩美選手等を生み出すとともに全日本実業団駅伝大会で連覇する等、旭化成の全盛期をつくりあげた。そのことは、瀬古選手の指導者としての実績と比べると、比較にならないほどの素晴らしい功績である。
しかし、そのような旭化成も、近年は精彩を欠いていた。逆に瀬古氏は国近選手のアテネ五輪出場で脚光をあび、日本陸連の理事に就任した。なんとなく、時代の流れがまた、変わったかなという印象である。
しかしながら、中央志向の強い陸上界において、17年もの長きにわたり、宮崎の延岡という地方で、素晴らしい選手を生み続けて来たという事実は、地方で実践したからこそ、より輝いている。
本日の報道を見て感じることは、選手に肉体的寿命があるのと同様に、指導者にとっても精神的寿命があるのかな……とも思った。指導者が燃えなくなれば、選手も燃えなくなる。仕方ないことかもしれない。でも、宗茂氏の功績は少しも減るものではないと思う。
選手や指導者として 終わっても続く 人生のマラソン_c0070439_714271.jpg私と宗兄弟は学年が同じであり、防府読売や唐津10マイルで宗兄弟と会う機会(話した事はないが……)があったので、より親密感を覚えていた。また、宗茂氏のマラソン解説は歯切れがよく、レース展開の説明も的確であり好感を持っていた。今回の件は残念だけれども、人生、誰が勝者かはまだわからない(勝者、敗者を決める必要もないけれども……)、まだ人生というマラソンは続いているのだから……。

【追伸】1977年の宗兄弟24歳の時、福岡国際マラソン大会での写真です。36km地点付近(箱崎)でシャッターを押しました。宗茂氏は、何とブービーでゴールした大会で、その汚名を2ヵ月後の別大マラソンで途中まで世界最高でぶっ飛ばし、最終的にも2時間9分台で優勝という、素晴らしい成績に結びつけた、ある意味では記念すべき福岡国際マラソンです。なんと「旭化成」と言いながら、宗兄弟とも別の色のパンツで走っていたんですね。時代がのんびりしていたのかな。どっちが茂で、どっちが猛か、わかりますか?
by hyocori-hyoutan | 2005-03-24 23:31 | スポーツに一言