心房粗動 カテーテルアブレーション 素晴らしき医学進歩

3泊4日で別荘に入ってきた。別荘はW病院である。懸案であった「心房粗動」の根治治療「カテーテルアブレーション」の治療を受けるためである。成功率95%~98%との説明は受けるが、不安は不安……な気持ちもある。この治療を受ける前には、インターネット検索で既に治療を受けた人のブログ日記も検索して随分参考にした。だから、このブログも、これから受けようとしている人が検索しているかも知れないから参考になるようなことを書こうと思う。c0070439_23532142.jpg

その前に心臓の役割のおさらいです。心臓はご存知のように心房と心室に分かれおり、それぞれ右と左に部屋がある。右房には全身を駆け巡った血液が入ってきて、その下の右室に送られる。そして、右室がポンプの役割(心臓の鼓動)をして、肺に血液を送り込み(肺静脈)、肺で一杯の酸素を吸収して左房に血液が入って来る(肺動脈)。最後にその下の左室に入ってきた血液は、心臓のポンプ(鼓動)で勢いよく全身に血液を送る。

では、心房粗動とはどういう病気か……。c0070439_23541462.jpg簡単な説明をする。心臓のポンプの補助的役割をする右房は右室に効率的に血液を送り込むために電気的刺激に基づいて収縮する。通常は電気的刺激の回数は右室:右房は1:1なのに、右房内で必要でない電位が増えて右房内を旋回するようになる。そのため、右室:右房の心拍の比率は1:2や1:3.1:4となり不整脈になって息苦しくなり息切れ症状も頻発する。あわせて、効率が悪いため血栓が溜まりやすく、血栓が脳に溜まると脳血栓になる恐れもあるらしい。

心電図としては、正常な心電図と比べて、のこぎり歯状の山が3~4つを含んだ形の心電図になる。上の心房粗動図と心電図(正常と心房粗動)でわかるかなあ。ちなみに、写真は小生の治療前の心電図(病室で携帯のデジカメ写真で撮ったもの)である。確かにのこぎり歯状の心電図になってますね。

さて、カテーテルアブレーション治療は約3時間かかった。カテーテルは右の太ももの付け根と右首の鎖骨の上から挿入された。局所麻酔で差し込む時の痛さはなし。意識ははっきりしている。執刀は主治医が全て取り仕切り、電圧を調整する人がもう一人。さらに全体進行を監視する医者が二人ほどいた。治療中の医師のやり取りは、明白に患者に伝わる。c0070439_23553331.jpg

「なかなか電位が切れないですね」
「あっ、切れた!」
「心房が大きすぎてカテーテルが届かない。長いものと取り替えよう」
「電位が奥深く入っているみたい。焼灼する時間を1分に延ばしましょう」
「50ワットで40度、時間は50秒」
「ストップ!ストップ! 落ちた!」

そんな会話を聞きながら3時間であった。焼灼するときは耐えられない痛さはないが、胸が熱くなり胸焼けするような感じである。意識がはっきりしているから、治療の経過が気になる。
「なかなか頑固みたいで時間がかかっています。切れたと思ったらつながったりします」と患者に声を掛けられる。患者としては「よろしく、お願いします。完全に切れるようにお願いします!」としか言いようがない。

そして、「終わりましたよ。完全に電流の回路を断ち切りましたよ」 と言われた時は、本当にほっとした。午前9時から始まった治療も、この言葉を聞いたときは何と12時20分頃になっていた。先生達は午後にもう一人の患者に、同じカテーテルアブレーション治療をするらしい。

「次の患者の開始時間は午後1時45分からにします。準備はしておいてください!」

まさに医は仁術という気持ちである。頭が下がります。ちなみに、治療前後の心電図は下記の通り。この長さが5秒で、左側の「のこぎり歯状の波形」が術前で、右側の何もない波形(心拍だけ)は術後である。
c0070439_235646.jpg


しかし、問題はその後であった。治療後は静脈を使った場合は3時間、動脈を使った場合は6時間絶対安静だが、小生の場合は、途中でカテーテルの太いものを使ったので、静脈からの挿入であっても4時間の絶対安静を言い渡された。絶対安静とは、仰向けのままにじっとしておくこと。これには堪えた、寝返りをうちたいが、それが出来ない。開放されたのは、午後5時前であった。約8時間の同じ態勢で寝ていた。もう起き上がろうとしても起き上がれない。どうも、ぎっくり腰になったみたい。洋式トイレに座り込むのも苦しい。何度も屈伸運動をするものの快方に向わない。(結局、治療後の丸3日たった今日もぎっくり腰に悩まされている。)

なお、「カテーテルアブレーション」でこのブログにたどり着いた人で気になることは医療費でしょう。今回は手術費は約137万円で、入院費用、差額ベット代を含めて約148万円の医療費であった。もちろん、3割自己負担だから、本人支払額は約45万円となった。あとは3ヶ月後の高額療養費の還付と医療保険給付(手術手当金支給)で、どうにか医療費を賄うことができるかな。

それにしても、3泊4日であったが、看病をしてくれた、うちの奥さんには、また頭が上がらなくなりました。ありがとうございます。

追伸:大事なこと一言いいます。退院前に主治医に聞きました。
小生:  「今後の日常生活で注意することはありますか」
主治医: 「特にないですよ、自転車もエアロビクスもランニングもOKですよ!まあ、酒は控えていたほうがいいと思いますよ。」

嬉しかった、従来通りの運動許可が出た。酒はもうやめている。つい笑顔がこぼれる。そのことを妻に伝える。「嘘じゃないよう、本当だよ」と言う。妻も嬉しそうである。ホントよかった。

by hyocori-hyoutan | 2006-10-09 23:52 | 健康化大作戦