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ヘルプ~心をつなぐストーリー 映画っていいですね

映画「ヘルプ~心はつなぐストーリー」を観てきた。なかなかの秀作である。アカデミー賞の候補らしい。時代は1960年初頭のアメリカ・ミシシッピ州が舞台である。公民権運動、キング牧師…まだまだアメリカでの人種差別の激しい時代、その中でもアメリカ南部はより激しいところであった。乗合バスでも黒人と白人は場所が違う。黒人メイドは室内のトイレが使えず、屋外のトイレしか使えない。そんなシーンをさりげなく見せながらもストーリーは進んでいく。
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ボクの小、中学校の頃には社会の教科書にも黒人差別のことは記載してあったから、子ども頃から記憶はある。黒人で成功するには、スポーツやミュージックに秀でていなければいけない。陸上の短距離、野球選手、そしてR&Bのボーカル…そんな時代だったのかもしれない。その中でも黒人女性は、裕福な白人女性にメイド(ヘルパー)として安月給でも生活のために働かなければいけない。差別と闘いながら…。その家の白人の奥様は料理、育児は出来ないが、ボランティア活動は熱心である。貧しいアフリカの人々を救うために慈善オークションに精を出している。しかしその家のメイドには差別を繰り返している。映画では、暗くなりがちな展開になるところだが、ユーモアを交えて黒人女性のたくましさも表現して明るく進む。

日本映画だと、より身近な差別の問題は陰湿で暗くさらに怒りがこみ上げてくるが、ハリウッド映画では、露骨な差別であるが映画自体は暗くない。アメリカの平等主義、自由主義は白人社会だけのもので黒人には人権がなかった時代であったことが分かる。今でも、ご都合主義のアメリカ、身勝手な解釈のアメリカらしさが気にかかる。でも魅力的なアメリカでもある。不思議な国である。

そして、黒人女性のメイド達は立ち上がる。今で言う暴露本の出版でわずかであるが金と権利を獲得する。でも50年前から人権問題は進歩しているかもしれないが、まだまだ変わらないところもあるから、映画でも現実的な終わり方である。決して全てハッピーエンドではないが、人間の素晴らしさを感じさせる。2時間半の大作であったが、その続きも観たい気にさせる映画であった。

ボクはCGばかりのアクション、爆破、殺人みたいな映画よりこんな映画が好きだ。そのことを確認した…。
by hyocori-hyoutan | 2012-04-13 05:11 | movie