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自由と平等 ことばに流されず 真を見れ! 

「国家の品格」という新潮新書を読んだ。著者は藤原正彦さんである。日本人の欧米崇拝に衝撃を与える書であり、日本人が世界で唯一持っている情緒感や武士道精神、そして精神的な高尚さを大切にしなければいけない……と述べている。

中学生の時の社会科の授業だったかな、アメリカの独立宣言の文章に触れたのは……。独立宣言では、「全ての人間は平等であり、神により生存、自由、そして幸福の追求など犯すべからず権利を与えられている。」と述べられているが、当時、奴隷制度を国策として取っているアメリカなのに、『何で人間は平等っていうの?』……と不思議に思っていた。

その疑問が、この本を読んで理解できた。この独立宣言は、イギリス国王に対する独立宣言と考えたらいいのだ。「国王と言うのは神から与えられたもの」という考えに対して「違うよ、国王だって人間だから、俺たちと同じなんだ」 という発想の平等であり、我々が今考える「人権」の考えなんか微塵もなかったのだ。奴隷は人間ではなかったのだ。

同じように自由の考えも、支配されていた国王に対する「自由」である。国王の上に存在する神によって自由が与えられているのだ!ということかな。

もともと、人間が離れ小島に一人で暮らしていたら、本当の「自由」であろうが、ひとつの国(ひとつの社会)に住んでいる限り、国(社会)から生存できる力をもらえる反面、自由も束縛されるのが当たり前である。自由、自由と叫ぶ人間ほど、他人の自由を侵害し迷惑をかけている面があると思う。日本では古来「自由」を「身勝手」と言っていたのだから……。

だから、”平等と自由”ということばは響きはいいが、その本質や時代背景を考えなければ、軽々しく使うことは出来ない。ある国の首相は、「自由だから、誰がいつ参拝に行こうか自由だよ!」と軽々しく言う。本当に自由なのは、誰にも影響を与えないという前提が必要である。特に、国の代表は国民を守ると同時に、自由を奪う立場の人間である。軽々しく、自分の行動を自由というなかれ!自由が欲しけりゃ、職を捨てて離れ小島で心の問題として、「自由だ!」と独り言を言っていればいい!

ちょっと過激になりましたが、本人がこのブログを読むわけではないので、いいでしょう!
お休み……。
by hyocori-hyoutan | 2006-07-25 23:29 | 読書