人気ブログランキング | 話題のタグを見る

重いテーマ それでもボクはやってない 行ってよかった! 

土曜日、余裕のある土曜日である。ルネサンスで体調を整えるランニングのあとは、トリアス久山に行く。公開終了間際の映画「それでもボクはやってない」を観に行った。終了間際だから14:30の一回のみの上映であり、それに合わせて出かけて行った。幸運なのはプレミアスクリーンで通常料金での上映であったこと。リクライニングできるし快適、快適である。
重いテーマ それでもボクはやってない 行ってよかった! _c0070439_22405394.jpg
映画そのものは、重い映画である。日本の裁判制度についての批判である、無実の人間が罪人として罰せられる可能性の高いことを知らされた。映画題名の「それでもボクはやってない」の「それでも」は何に対して「それでも」なのかと思っていたが、それは、「有罪がでても……それでも」であった。そして、印象的な言葉は「裁判官は自分を裁いたかもしれないが、私は真実を知っており、私は、裁判官を裁くことが出来る唯一の人間だ」と言った言葉である。人間が人を裁くことの怖さが実感できた映画であった。日本の司法裁判の99%以上は起訴されたら有罪になる。裁判所では有罪を前提に、過去の事例から刑期を言い渡すだけ……。

もちろん映画で描かれた冤罪は、ごく一部であり、全体としては真面目に取り組まれている事だろうと思う。しかし、ボクの経験からしても裁判所は権威主義的なところと思ったことがある。民事の相談で裁判所の相談コーナーに予約の上で行ったことがある。相談者は裁判所OBの方であったが、裁判の手続きや調停の手順を事務的に説明するだけで、少し突っ込んだ質問をすると、それは調停や裁判になってみなければ分からないと冷たく言うだけで、最後は、「時間が来たから終りです」と怒ったように退室をされた。
重いテーマ それでもボクはやってない 行ってよかった! _c0070439_2257463.jpg
話は戻って映画のストーリーは……
満員電車の中でのちょっとした出来事の中で、痴漢の現行犯として腕を掴まれ、無罪を訴えようとして駅務室に行ったら、反論の余地も与えられずに容疑者として何ヶ月も拘置されたまま、しかも保釈されるには、多額の保釈金が必要……。取り締まりの中では罪を認め、示談すればすぐに釈放してやるという、警察の相手の心のつく尋問等……真実を貫くことの苦しさが十分に伝わってきた。

この映画はテーマが重く、上映時間2時間25分と長かったが、周防監督の詳細な裁判進行描写が冴えわたり、「本当の裁判を傍聴してる雰囲気」になった。陪審員制度も始まることだし、日本の裁判制度に一石を投げた作品だったと思う。ただ、痴漢を題材にしているので誤解は生みやすい。痴漢冤罪を訴えることと、痴漢犯罪を容認することは違うということをはっきりと意識していなければいけない。

ボクの場合、自転車通勤だから満員電車に乗ることはないが、雨の日にたまには鹿児島本線に乗ることもある。その時は、両手を挙げて乗ることにしよう。保釈して欲しくても保釈金がないもんね……。
by hyocori-hyoutan | 2007-03-10 22:20 | movie