重いテーマ それでもボクはやってない 行ってよかった!
2007年 03月 10日もちろん映画で描かれた冤罪は、ごく一部であり、全体としては真面目に取り組まれている事だろうと思う。しかし、ボクの経験からしても裁判所は権威主義的なところと思ったことがある。民事の相談で裁判所の相談コーナーに予約の上で行ったことがある。相談者は裁判所OBの方であったが、裁判の手続きや調停の手順を事務的に説明するだけで、少し突っ込んだ質問をすると、それは調停や裁判になってみなければ分からないと冷たく言うだけで、最後は、「時間が来たから終りです」と怒ったように退室をされた。
満員電車の中でのちょっとした出来事の中で、痴漢の現行犯として腕を掴まれ、無罪を訴えようとして駅務室に行ったら、反論の余地も与えられずに容疑者として何ヶ月も拘置されたまま、しかも保釈されるには、多額の保釈金が必要……。取り締まりの中では罪を認め、示談すればすぐに釈放してやるという、警察の相手の心のつく尋問等……真実を貫くことの苦しさが十分に伝わってきた。
この映画はテーマが重く、上映時間2時間25分と長かったが、周防監督の詳細な裁判進行描写が冴えわたり、「本当の裁判を傍聴してる雰囲気」になった。陪審員制度も始まることだし、日本の裁判制度に一石を投げた作品だったと思う。ただ、痴漢を題材にしているので誤解は生みやすい。痴漢冤罪を訴えることと、痴漢犯罪を容認することは違うということをはっきりと意識していなければいけない。
ボクの場合、自転車通勤だから満員電車に乗ることはないが、雨の日にたまには鹿児島本線に乗ることもある。その時は、両手を挙げて乗ることにしよう。保釈して欲しくても保釈金がないもんね……。
by hyocori-hyoutan
| 2007-03-10 22:20
| movie